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むちうちの慰謝料で損をしないためのポイントを解説

交通事故による怪我の中でも最も多いといわれるのが,むち打ちです。

交通事故で,むち打ち(頚椎捻挫,腰椎捻挫)と診断された場合には,気をつけて頂く点がございますので,ここではその点について,まとめさせていただきました。

むち打ち症とは

むち打ち症(むち打ち損傷)とは,頸部外傷の局部症状の総称のことです。「むち打ち」というのは、医学的な傷病名ではなく,その中には,様々な種類の症状があります。
その分類方法にもいろいろな考え方がありますが,

  • 頸椎捻挫型
  • バレー・ リュー型
  • 神経根型

の3つに分類されることが多いです。

むち打ち症は、追突、衝突や急停車などによって首がむちのようにしなり,靭帯や筋肉などが損傷を受けることで発症するといわれています。

人身事故において,最も多く発症する傷害です。

治療費の打ち切りに遭いやすい症状です

むち打ちは,レントゲンやCT,MRIなどの画像上に表れにくい症状です。そのため,被害に遭われた方以外に,その症状が存在することを証明することは難しいです。

加害者の保険会社から支払われる治療費も,その症状が本当にあるのか分からないことを理由に,治療期間の途中で打ち切られることがしばしばあります。

そのため,被害に遭われた方は,適切に検査を受けて頂くとともに,一定の頻度以上通院し,定期的に医師の診察を受けて頂く必要があります。

また,治療費の打ち切りに遭いそうな場合には,弁護士に相談し交渉を依頼することで,その時点での治療状況や症状によっては,治療期間を多少延ばすことも可能な場合があります。

後遺障害の認定を受けられる可能性があります

むち打ちは軽い怪我であると思われがちですが,治療が長期に及んだ末に,後遺症が残ってしまう場合もあります。

残ってしまった後遺症が一定の基準を超え,後遺障害の等級認定を受けることができますと,後遺障害による慰謝料や逸失利益を請求することができます。

後遺障害等級14級に認定されれば後遺障害による慰謝料が110万円,12級に認定されれば後遺障害による慰謝料は290万円にもなります。

ただ,上述のように,むち打ちは,レントゲンやCT,MRIなどの画像上に表れにくい症状ですので,被害に遭われた方以外に,その症状が存在することを証明することは難しく,後遺障害等級の認定を受けるには,ある程度のハードルを超える必要はあります。

後遺障害等級の認定を受けるうえで重要な点について

①相当程度の痛みが残っていること
後遺障害等級の認定は,後遺症によって労働能力の損失が発生していると認められるような場合に,認定されることが多いです。そのため,当該後遺症によって多少でも労働能力に損失が発生していると言えるほどの相当程度の痛みが存在することが必要です。
なお,その人に痛みがどの程度存在しているのかは他人には分からないので,通院期間の長さや通院頻度が参考にされる傾向にあります。通院期間が長く,頻度も多い方が存在している痛みが大きいと判断される傾向にあります。
また,車両の損壊状況や修理費用の金額も参考にされる傾向にあります。

②適切な検査を受けていること
後遺障害等級認定を得るためには、医学的な所見が存在することが重要です。そのため,必要な検査を受けなければ,等級認定は難しくなります。異常箇所のMRI検査は受けておき,画像を保存しておくことが大切です。
また,有用な他覚所見として,神経学的検査所見があります。次に挙げるような神経学的な検査をしっかり受けておくことも大事です。
(1)神経根症状誘発テスト(スパーリングテストやジャクソンテストなど)
頚椎を傾け,頭や肩を押しつけた際に,頚部から上肢にかけての痛みが生じるかどうかを確認する検査です。
(2)徒手筋力テスト
筋肉に力を入れさせ徒手的に抵抗を加えて調べる検査です。
(3)知覚検査
神経系の障害を調べるために,触覚、痛覚などの知覚を検査する。

③適切な後遺障害診断書が作成されていること
後遺障害等級認定を申請する際には、主治医の先生に後遺障害診断書を作成して頂きます。
そして,この後遺障害診断書は,後遺障害等級の認定を受けるうえで,重要な資料となります。しかし,医師は、交通事故の賠償問題における後遺障害等級認定の専門家というわけではありませんので、後遺障害等級認定を受けるために必要な情報を網羅して作成してくれるとは限りません。
自覚症状などは確実に伝え,検査結果などは漏れなく記載してもらう必要があります。

④症状が一貫して継続していること
むち打ち症で後遺障害等級認定を得るためには、症状が一貫して継続していることが重要なポイントとなります。症状が事故当初から一貫して継続していない場合には,事故との因果関係を否定される場合があります。
また,むち打ちで後遺障害等級認定を得るためには、少なくとも6か月の通院期間が必要であるといわれていますので、この期間,症状が一貫して存在している必要があります。
もし相手方の任意保険会社から治療費を打ち切られてしまった場合にも、治療の必要性がある限りは,一旦自分で治療費を立て替え,通院を継続された方が良い場合がありますので,弁護士に相談されることをお勧めします。

まとめ

むち打ち(頚椎捻挫,腰椎捻挫)と診断された場合には,上述のように,気を付ける点が多々あり,弁護士と相談しながら治療を進められるのが良いかと思います。

ご自身で判断される前に,まずは,ぜひ専門家である弁護士にご相談ください。

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