養育費の増額・減額はできる?|再婚・収入変動・養子縁組の場合を解説
更新日:2026年10月4日
養育費について一度父母間で取り決めをすると、その内容を一方が勝手に変更したり取り消したりすることはできません。
もっとも、取り決めをした後に事情が変わり、従前の養育費を維持することが実情に合わなくなった場合には、増額や減額を求めることができる場合があります。
この記事では、どのような場合に養育費の増額・減額が認められるのか、また、そのための手続についてご説明します。
増額・減額が認められる事情変更とは
事情変更の程度
養育費の取り決めをした後に事情が変わったとしても、どのような場合でも増額や減額が認められるわけではありません。
一般には、取り決め時に予想できなかった事情や、その後に生じた事情の変化によって、従前の養育費を維持することが相当でないと考えられる程度の重要な事情変更があるかどうかが問題となります。
事情変更の例
養育費の増額・減額が問題となる事情変更の主な例として、次のようなものがあります。
- 再婚
- 収入の増減
- 教育費の増大
- 病気やケガ
再婚と養育費
義務者が再婚した場合の養育費
養育費を支払う側(義務者)が再婚しただけで、当然に養育費が減額されるわけではありません。
もっとも、再婚後に新たな子が出生した場合など、扶養関係に変化が生じたときには、義務者や再婚相手の収入状況、従前の取り決め時の事情などとあわせて、養育費減額の事情として考慮されることがあります。
権利者が再婚した場合の養育費
養育費を受け取る側(権利者)が再婚した場合も、再婚したという事情だけで直ちに養育費が減額されるわけではありません。
再婚相手と子どもが養子縁組をしていない場合、再婚相手が子どもに対して民法上の親としての扶養義務を負うわけではないため、再婚したことだけを理由に当然に減額されるものではありません。
一方、子どもが再婚相手と養子縁組をした場合には、新たに養親との扶養関係が生じるため、養育費の減額を検討する際の重要な事情となります。ただし、養子縁組をしたからといって実親の養育費負担が当然にゼロになるとは限らず、養親と実親の収入、監護状況などの具体的事情を踏まえて判断されます。
養育費減額・増額の方法
事情変更があったとしても、養育費の額が自動的に変更されるわけではありません。相手方との協議や、家庭裁判所の調停・審判などによって変更する必要があります。
協議
相手方との話し合いで合意できれば、養育費の金額や支払方法などを変更することができます。
合意した場合には、後の争いを避けるため、変更後の内容を書面に残しておくことが重要です。必要に応じて公正証書を作成することも考えられます。
調停・審判
話し合いでまとまらない場合や、そもそも当事者間での協議が難しい場合には、家庭裁判所に養育費の増額・減額調停を申し立てる方法があります。
調停で合意できなかった場合には、調停は不成立となり、自動的に審判手続へ移行して、裁判所が判断します。
初めから審判を申し立てることもできますが、裁判所の判断で調停に付されることがあります。
2026年4月からの法定養育費との違い
2026年4月から法定養育費制度が始まりましたが、法定養育費は、離婚時に養育費について具体的な取決めをしていない場合に一定額を請求できる制度です。すでに具体的な養育費を取り決めている場合の増額・減額とは別の問題です。
養育費の変更は弁護士にご相談ください
どのような場合に養育費の増額や減額が認められるかは、当初の取決め内容、収入の変化、再婚や養子縁組、子どもの進学や医療費など、具体的な事情によって異なります。
当事務所では、奈良県北葛城郡の西大和オフィスと静岡市葵区の静岡オフィスで、養育費を含む離婚・離婚後の問題について法律相談をお受けしています。オンライン相談にも対応しています。

