別居中の生活費について
夫婦が別居するとき、毎月の生活費をどのように負担するかは重要な問題です。別居中であっても、収入や生活状況に応じて婚姻費用の分担を求められる場合があります。まずは簡易計算で月額の目安を確認し、住宅ローンや再婚など個別の事情がある方は、続く解説をご覧ください。
別居中の生活費(婚姻費用)とは
婚姻費用とは、夫婦と未成熟子の生活を維持するために必要な費用をいいます。衣食住、医療、子どもの養育・教育に関する費用などが含まれます。夫婦には互いに協力・扶助する義務があり、別居していることだけで婚姻費用の分担義務がなくなるわけではありません。ただし、収入や別居の経緯などによって具体的な判断は異なります。
婚姻費用はいくら? 月額の目安を計算
支払う側と受け取る側の年収、収入区分、お子さまの人数・年齢を入力してください。令和元年版の標準算定方式に基づく月額の概算を、1,000円単位で表示します。裁判所の算定表の区分を直接読み取るものではありません。なお、子どもの年齢区分は算定表と同様に「0~14歳」「15歳以上」としています。20歳以上の子どもについても、経済的に自立していないなどの事情により婚姻費用の算定で考慮される場合がありますが、未成熟子に該当するかは個別の事情によります。また、双方が子どもを分けて監護している場合や給与所得と事業所得が混在する場合などは、個別の計算が必要です。
婚姻費用のかんたん計算
双方の年収とお子さまの状況から、月額の目安を確認できます。
本ツールは、裁判所の婚姻費用算定表の基礎となる標準算定方式に基づく概算です。裁判所の算定表による目安や実際に取り決められる金額と異なる場合があります。
給与所得者は原則として源泉徴収票の「支払金額」を入力します。自営業者の算定上の年収は、確定申告書の所得額と一致しない場合があります。
住宅ローン、再婚・前婚の子、私立学校の学費、双方が子どもを監護している場合などは、下の特殊事情の解説をご確認ください。この計算には反映されていません。
婚姻費用算定表と計算ツールの違い
家庭裁判所の実務では、令和元年版の婚姻費用算定表が標準的な金額を検討する際の参考にされています。算定表は夫婦の収入、子どもの人数・年齢などを基礎として、子どもが夫婦の一方に監護されている場合を想定して作られています。上のツールは算定表の基礎となる標準算定方式から概算を計算するため、算定表の表示区分と一致しない場合があります。
計算ツールだけでは判断できない特殊事情
算定表は標準的な事情を前提としています。以下の事情があっても、必ず増額・減額になるわけではありません。通常の支出が既に標準的な費用として考慮されていることもあるため、個別の事実関係に即した検討が必要です。
住宅ローンを支払っている場合
別居後も夫婦の一方が住宅ローンを支払い、他方がその家に住んでいる場合などは、住居費負担の調整が問題になることがあります。ただし、住宅ローンの返済額が当然に婚姻費用から全額控除されるわけではありません。誰が居住しているか、家賃負担の有無、住宅ローンの性質、双方の収入などが重要です。
再婚・前婚の子がいる場合
前婚の子への養育費の支払いや、再婚によって生じた扶養関係がある場合、通常の算定表をそのまま当てはめることが適切でない場合があります。法律上の扶養義務、実際の監護状況、養子縁組の有無などを確認する必要があります。
配偶者の連れ子と養子縁組していない場合
配偶者の連れ子について、婚姻したというだけで法律上の親子関係が成立するわけではありません。養子縁組の有無によって扶養関係の検討が異なります。連れ子の生活費を当然に計算上の「子ども」として加算することは避ける必要があります。
自営業者・個人事業主の場合
自営業者については、確定申告書の所得金額をそのまま算定上の年収とするとは限りません。税務上の控除や必要経費の内容、実際の収入状況などを確認します。給与と事業所得の双方がある場合も、単純に金額を合算して入力する方法では適切に算定できないことがあります。
無職・休職中・収入が減少した場合
現時点で収入がない場合でも、常に年収ゼロとして扱うとは限りません。就労可能性、離職・休職の事情、過去の収入、健康状態などによっては、潜在的な稼働能力が問題になることがあります。一方、実際に就労が困難な事情があれば、その点も考慮する必要があります。
私立学校の学費や高額な医療費がある場合
標準的な教育費や医療費は、算定方式の前提に含まれています。私立学校の学費など標準を超える費用については、必要性、進学についての合意、従前の生活状況、双方の負担能力などを踏まえて個別に検討します。
子どもが夫婦それぞれと暮らしている場合
子どもが双方に分かれて監護されている場合は、受け取る側が子ども全員を監護することを前提とした簡易ツールでは適切な算定ができません。各世帯の監護状況を踏まえた計算が必要です。
収入が算定表の上限を超える場合
算定表の収入上限を超える場合は、算定表を機械的に延長すればよいとは限りません。双方の収入、従前の生活水準、支出状況などを考慮した検討が必要になります。
婚姻費用はいつから請求できる?
実務では、婚姻費用の分担を明確に請求した時点を始期とする例が多くあります。ただし、必ず請求日からになるというわけではなく、具体的事情によります。請求の意思を相手方に伝えた日時と内容が確認できるよう、記録を残しておくことが大切です。
相手が支払わない場合はどうする?
話合いで合意できない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てる方法があります。調停で合意に至らないときは、原則として審判に移行し、裁判所が判断します。
よくある質問(Q&A)
住宅ローンを払っていれば婚姻費用は減額されますか?
当然に減額されるわけではありません。誰が住宅に住んでいるかなど、具体的な事情によって異なります。
相手の年収が分からない場合は?
源泉徴収票、確定申告書などの収入資料の確認が重要です。資料が得られない場合には、就労状況などから検討することもあります。
算定表の金額で必ず決まりますか?
算定表は標準的な目安です。個別事情や当事者間の合意などにより、最終的な金額が異なることがあります。
別居・婚姻費用についてのご相談
住宅ローン、再婚・前婚の子、収入変動などの事情がある場合には、計算結果だけで判断することが難しいことがあります。離婚・別居について法律相談する →

